トリナ・ソーラー IBC単結晶シリコン太陽電池で変換効率24.13%の新記録樹立
2017.05.08

【常州(中国)2017年5月5日PR Newswire=共同通信JBN】太陽光発電(PV)モジュールの世界大手であるトリナ・ソーラー(Trina Solar)は5日、同社の太陽光発電技術国家重点研究室(State Key Laboratory of PV Science and Technology、SKL PVST)が、大面積(156 x 156mm2)n型単結晶シリコン(c-Si)裏面電極型(IBC)太陽電池で総面積(変換)効率24.13%の新記録を達成したと発表した。

記録を破ったn型単結晶シリコン太陽電池は、通常のチューブ・ドーピング技術とフルスクリーン・プリント・メタライゼーション(金属膜化)機能を使って、低コストの工業化IBC処理による大型のリン(燐)・ドーピングCzシリコン基板上で組み立てられた。156x156cm2の太陽電池は、日本の電気安全環境研究所(JET)で別途測定されて、変換効率24.13%に達した。IBC太陽電池は、全測定面積243.3平方センチメートルあり、何らの開口なしに測定された。チャンピオンになったこの電池は、702.7ミリボルト(mV)の開放(開路)電圧VOC、42.1mA/cm2の短絡電流密度Jsc、81.47%の充填率FFの特性がある。

トリナ・ソーラーとオーストラリア国立大学(ANU)は2014年2月、浮遊帯域(FZ)n型基板上でフォトリソグラフィー・パターン露光を使って組み立てられた実験室レベルの4平方センチメートルIBC太陽電池で、開口効率24.37%の世界記録を樹立したと共同発表した。トリナ・ソーラーは2014年12月、工業バージョンの大面積(156x156mm2、6インチ基板)IBC太陽電池で22.94%の変換効率を発表している。トリナ・ソーラーはさらに2016年4月には、変換効率23.5%の改良型の工業用低コストIBC太陽電池を発表した。今回の変換効率24.13%という新記録は、同社とANUは共同で樹立した小面積実験用電池の記録である開口効率より相対的に0.24%低い記録である。変換効率は常に開口効率より低くなるが、それは電池の縁および電気的な接触部分が関係して効率が落ちるためである。

トリナ・ソーラーの副社長兼最高科学責任者(CSO)のピエール・ヴァーリンデン博士は「われわれはSKL PVSTの研究チームが成し遂げた最新の業績を発表できて非常に喜んでいる。過去数年にわたり、当社のR&Dチームは、n型IBC太陽電池の効率を絶えず改良するよう努力してきたが、これまでに記録の限界を超え、3年前にANUとのコラボレーションで達成した最高の小面積実験用電池の性能に非常に近づいている」と語った。同博士はさらに、「IBC太陽電池は、今日ある最も効率のいいシリコン太陽電池の1つであり、高電力密度の必要条件がLCOE(均等化発電コスト)よりはるかに重要なアプリケーションには、特に適している。当社のIBC太陽電池開発プログラムは一貫して、大面積電池で低コストの工業化プロセスの開発に注力してきた。われわれは、工業用大面積IBC電池が小面積の実験室電池がフォトリソグラフィー処理で3年前に樹立したのと同レベルの性能に達したことを、今日発表できて非常に喜んでいる。トリナ・ソーラーはイノベーションが進むPV業界にあって、電池効率が良く、システムコストを減らす最先端のPVテクノロジーと製品を開発することに常に注力している。当社の目標は、テクノロジーの革新を追求し、実験室内のテクノロジーをできるだけ早期に商用生産に移すことである」と語った。

■Trina Solar Limited (トリナ・ソーラー) について トリナ・ソーラーは、太陽光モジュール、ソリューション、サービスを統合的に提供する太陽光発電トータルソリューションビジネスのグローバルリーダーです。1997年に太陽光システムインテグレーターとして設立以来、世界中の施工店、販売店、ディベロッパーなどのパートナーの皆様と共に、スマートエネルギーの推進に努めています。より詳しい情報は、www.trinasolar.comでご確認ください。