経産省、太陽光オンサイトPPAで「差分計量」可能に

経済産業省は2月10日、有識者会議(特定計量制度及び差分計量に係る検討委員会)を開催し、太陽光発電で普及しているオンサイト型PPA(電力購入契約)モデルなどで、ニーズの高まっている「差分計量」について検討し、認める場合の条件案などを提示した。

 

 「差分計量」とは、例えば、オンサイト型PPAモデルで、太陽光発電設備を需要家の屋根に設置し、直接、需要家に電力を供給しつつ、余剰分を固定価格買取制度(FIT)で売電するようなケースに、家庭内の消費電力量(PPAによる電力販売量)を算出する際にニーズがある。この場合、太陽光発電の発電量から、逆潮流分(余剰分)を差し引く方法(差分計量)が容易な算出手法になる(図)。

 

図 PPAモデルによるスキームと配線図(出所:経済産業省)

 

 しかし、現行の計量制度上、オンサイト型PPAモデルで電力を販売する場合、こうした「差分計量」は認められない。そこで、家庭内の消費量を直接、計測するために分電盤に追加的に工事する方法もあるが、住宅によっては物理的に設置できないケースもある。そのため、太陽光パネルの設置容量を小さくして余剰をなくし、全量自家消費にするなどで対応するケースもあるという。

 

 経産省は、こうした差分計量の取引ニーズに対し、一般的なスマートメーターを用いたモデルケースで実証実験を行い、その精度を検証してきた。その結果、太陽光の発電量に対する系統への逆潮流量の比率が約80%以下(自家消費率が約20%以上)であれば、実証実験の範囲では、差分計量の誤差は、制度上求められる精度の許容範囲である使用交差(±3%)内となった。

 

 そこで、以下の条件を満たす場合に差分計量を実施できるとの案を示した。(1)差分計量による誤差が特定計量器に求められる使用公差内となるよう努めること。具体的にはスマートメーター同士を使用する差分計量については、取引の精算期間などにおいて、差し引かれる計量値に対して 差分計量により求める値の割合が 20 %以上(自家消費率が約20%以上)であること。(2)それぞれの計量器の 検針タイミングを揃えていること。(3)それぞれの計量器の間に変圧器など電力消費設備を介さないことなど適正に差分計量を行える配線であること。

 

 また、当事者間のトラブル発生を防ぐ観点から、(1)差分計量を行うことについて当事者間で合意があり、契約・協定などで担保されること。(2)当事者がそれぞれの計量器の計量値を必要に応じて把握できるようにしておくこと、という条件も提示した。(日経BP総研 クリーンテックラボ)

 


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