水上太陽光に「技術基準」、強風による動揺などを考慮

経済産業省は4月1日、電気事業法の規定に基づく省令により、水上設置型の太陽光発電設備のフロート架台などに関する技術基準を制定した。水上太陽光設備の設計において、付加的に考慮すべき外力・荷重と対象部位などを挙げ、参照すべき規格やガイドライン、事前に行うべき強度に関する試験などを示した。

 

 「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令(令和3年経済産業省令第29号)」と、それに伴う解釈と解説によるもの。太陽光発電所の増加や水上や斜面など設置形態の多様化を踏まえ、民間規格や認証制度と柔軟かつ迅速に連携できるよう、太陽光パネルを支持する工作物(架台・基礎)および地盤に関する技術基準を定めた。

 

 水上設置型に関しては、解説書の中で、考慮すべき荷重・外力として、積雪荷重、風圧、波力(動揺)、水位、水流、凍結圧力、波力(スロッシング)を記載した。さらに、それぞれの荷重がかかる部位として、架台、フロート、係留部(係留索・アンカー)、接合部を記載した(図)。

 

図 水上太陽光発電設備の支持物(出所:経産省「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説」)

 

 このほか解説では、「支持物の架構」「部材の強度」「使用材料」「接合部」「基礎・アンカー」「支持物の標準仕様」「高さ9mを超える太陽電池発電設備」に関し、参照すべき規格やガイドライン、望ましい強度・耐久試験などを説明している。

 

 例えば、「使用材料」の解説では、「鋼材やアルミ合金材など、熱処理した材料を使用する場合は、熱処理後の材料特性(強度、延び等)を考慮して設計する。また、腐食、腐朽等による経年劣化しにくい材料の使用、又はメッキ等の劣化防止のための処理を施した材料の使用を要求している。水面に施設されるフロート等に使用される樹脂材料等についても劣化しにくい材料の使用又は劣化防止のための措置が必要となる」としている。

 

 また、「接合部」の解説では、「架構の変形に伴う接合部でのずれや外れが生じないことについても確認する必要がある。構造計算による確認が難しい場合は、載荷試験によって部材間の存在応力を確実に伝達できる性能を有していることについて確認する。その際、強度のばらつきを考慮して接合部の性能を評価すること」とした。

 

 国内では、台風の強風により水上太陽光のフロート架台が流されたり、接合部が外れて飛散したりするなど、大規模な事故が起きている。今回の技術基準はこうした事故を踏まえ、十分な強度設計や材料選択、事前の確認試験を求めている。(日経BP総研クリーンテックラボ)

 


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