次期エネ基本計画、追加対策で太陽光は100G~120GWも

経済産業省は7月21日、有識者会議(総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会)を開催し、「次期エネルギー基本計画」の素案を公表した。それによると、2030年における電源構成の想定は、再生可能エネルギー36~38%、原子力20~22%、水素・アンモニア1%とし、温室効果ガスを排出しない非化石電源で59%を賄うとの目標値を設定した(図)。

 

図 「次期エネルギー基本計画」(素案)で示され電源構成の想定(出所:経済産業省)

 

 再エネに関しては、現行目標の22~24%から14ポイントと大幅に引き上げた。「2050年における主力電源として最優先の原則の下で最大限の導入に取り組む」とし、内閣府のタスクフォースが求めていた「再エネ最優先の原則」が文言に盛り込まれた。「再エネ36~38%」に関しては、「キャップではなく、早期にこの水準に到達し、再エネ導入量が増える場合にはさらなる高みを目指す。その場合、他の電源が調整される」とし、「再エネ最優先の原則」を電源構成の上からも確認している。

 

 事務局(経産省)では、「再エネ36~38%」を達成する際の発電量を3300億~3500億kWhとし、これまで公表した対策強化メニューで見込まれる3126億kWhと比較すると、「さらに200億~400億kWhを積み増す必要がある」としている。

 

 そのための対策として、以下の4つ挙げた。(1)系統増強や蓄電池の設置を通じ、北海道を中心とした洋上風力の導入拡大(4GW程度)、(2)環境省と農林水産省の連携による改正温暖化対策推進法、農山漁村再エネ法に基づく促進区域の設定による導入促進、(3)民間企業の自家消費型太陽光への支援、(4)現行目標を未達の電源(地熱、小水力など)への支援。このうち導入規模を公表した「北海道への洋上風力導入で4GW」により100億kWh程度を見込める。残りの100億~300億kWhは事実上、太陽光の積み増しで賄うことになると見られ、その規模は8G~24GW程度になりそうだ。

 

 今後、(2)のうち、追加導入の規模を公表していない農水省による農山漁村再エネ法に基づく太陽光の推進、(3)の民間企業の自家消費型太陽光への導入推進で、合わせて10G~20GWを追加導入として見込むことになりそうだ。その場合、自家消費型太陽光の支援制度の在り方、荒廃農地の非農地判断の迅速化、農用地区域からの除外の円滑化、営農型太陽光を含めた荒廃農地の再生利用の要件緩和などに、いかに国が関与してくかが検討されることになる。

 

 太陽光は現行目標の64GWに対し、現状政策を維持した場合、2030年に累積で87.6GW(1090億kWh)に超過達成が見込まれている。経産省では、これに加え、環境省と国土交通省の公表済み追加対策(地方自治体施設・空港への設置、改正温対法による促進区域)を上乗せして約100GW(1244億kWh)まで見込めるとしている。さらに今後の追加対策によって10G~20GWを見込む場合、太陽光の合計で110G~120GWを想定することになる。(日経BP総研 クリーンテックラボ)


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