九電が出力制御の運用を変更へ、「オンライン制御」がより有利に

 経済産業省は8月1日、新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(WG)を開催し、九州本土における再生可能エネルギーに対する出力制御の実績を踏まえ、出力制御の運用を見直すことで、制御量全体を低減できる可能性について議論した。

 

 出力制御の運用見直しは、九州電力からの提案を基にしており、新たな運用手法で出力制御を実施した場合、オンライン制御を採用している太陽光事業者の方が、オフライン制御の事業者よりも制御回数が少なくなる可能性が高い。このため、経産省では、出力制御に関する「公平性ガイドライン」を見直すこととし、委員から了承を得た。

 

 九電の報告では、2018年度の出力制御実績は、合計26日、1事業者当たり5~6回、出力制御率は0.9%だったのに対し、2019年度は7月末現在で、すでに合計30日、1事業者当たり8~9回となり、2018年度の実績を大幅に超えている。

 

太陽光発電設備には、固定価格買取制度(FIT)開始の初期にオンライン制御機器の設置を義務付けられていなかった当時の事業者と、オンライン制御機器の設置を前提に系統連系した事業者の2タイプがある。前者は、前日の制御指令を受け、手動(オフライン)でパワーコンディショナー(PCS)を停止させることで、出力を制御している。

 

これまでの出力制御の運用では、供給量と需要量の「最大誤差」を織り込んだ出力制御の必要量を算出し、オンライン制御とオフライン制御に割り付けてきた。オンライン制御の設備は、天候などによって必要な制御量が減った場合、当日に制御を回避できるが、オフライン制御では、こうした柔軟な運用ができない。一方、出力制御に関する公平性ガイドラインで、年間・1事業者当たりの制御回数をほぼ同数にすることを求めている。

 

九電によると、需給状況に応じて当日に制御を解除できるオンライン制御をうまく活用して、制御量全体を最小化したいものの、オンライン制御とオフライン制御を同数にするという制約があるため、結果的に必要以上の制御量になってしまうことがあるという。

 

 そこで、新たな運用では、オンライン制御とオフライン制御の制御回数を同じにするという制約をなくし、前日に「平均誤差」を織り込んだ出力制御の必要量を算出してオフライン制御に割り付ける。ただ、「最大誤差」を前提とした場合よりも、必要制御量が実態に近く少なくなるため、当日の状況によって制御量が不足した場合、オンライン制御に割り付ける、という運用を想定した(図)。



図 新たな出力制御の運用イメージ(出所:九州電力)


こうした運用にすると、出力制御量全体は減るものの、オンライン制御の方が、オフライン制御よりも制御回数が少なくなる可能性が高い。これまで九州本土で実施された56回の出力制御ではオンライン制御15回、オフライン制御17回だったが、新たな運用を前提にシミュレーションすると、制御量全体は9%減るものの、オンライン制御13回、オフライン制御16回になり、両タイプの制御回数の差が大きくなる。

 

 今回の小委員会では、こうした試算結果について議論し、「制御回数を同じにすることよりも、全体の制御量を減らすことを優先すべき。結果的に事業者間で回数に差が広がっても、30日までなら公平性に反しない」との意見が大勢を占めた。これを受け、経産省は、出力制御に関する公平性ガイドラインの変更に着手するとした。

(日経BP総研 クリーンテックラボ)


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