地元と協力してパネル下でフタバアオイを栽培

福井県鯖江市(さばえし)は、眼鏡フレームの国内生産量で約8割のシェアを持つ「眼鏡の街」として知られるが、特産品はそれだけではない。手織りの「石田縞(いしだじま)」から発展した織物や、歴史のある「越前漆器」といった伝統的な工芸品の産地でもある。

住宅や産業向け太陽光発電システムの施工を手掛けるジャパンインペックス(鯖江市)は、太陽光パネル下の敷地を活用してフタバアオイ(双葉葵)を栽培し、石田縞の技術を使った「葵染め」繊維製品の開発に取り組んでいる。フタバアオイは、森林の暗い林床に生える多年草で、ハート形の葉が特徴。京都三大祭りの1つである「葵祭」の飾り物に使われ、同祭を執り行う上賀茂神社の神紋になっているほか、徳川家の「葵の御紋(三つ葉葵)」の原型になったことでも知られる。

鯖江市吉江町は江戸期に、越前松平家が治めた吉江藩の領地で、家紋はやはり「三つ葉葵」だった。フタバアオイは、かつて上賀茂神社の境内にも自生するなど、多くの里山で見られたが、温暖化やシカ害などの影響で、激減している。いまでは葵祭に使うフタバアオイの葉さえ十分に確保できなくなっているという。そこで、吉江町の住民による「吉江あおい会」が発足し、10年ほど前からフタバアオイの栽培に取り組んでいる。いまでは年間2万株もの生産に成功し、毎年、5月の葵祭の前に、上賀茂神社に奉納している。

ジャパンインペックスは本社に隣接する遊休地に2016年、出力550kWの太陽光発電システムを建設し、発電事業に取り組み始めた。約50kW分は、住宅太陽光のデモンストレーションも兼ねており、模擬屋根型の架台に太陽光パネルを設置した。残りの500kW分は、高さ約3mの支柱に50cmの隙間を空けてパネルを設置し、営農型太陽光発電事業(ソーラーシェアリング)を想定した藤棚式架台を採用した(写真)。


写真 営農型太陽光発電を想定した藤棚式架台(出所:日経BP)
 

発電所用地は農地ではないので、農地法に基づく「一時転用」には該当しない。一時転用制度による営農型太陽光の場合、パネルの影による減収が本来の収量に比べ20%以内に留まるなどの条件がある。今回のように雑種地でのソーラーシェアリングでは、そうした制約がないので、自由な発想でパネル下の利用について検討できる。

フタバアオイは、別名・ヒカゲグサと呼ばれるように、日影でないと育たない。その栽培では、ヨシズなどで覆って日を遮る必要があり、それが手間になっていた。太陽光パネル下なら、もともと日影が多いので、栽培に適している。収穫したフタバアオイの葉で糸を染色し、石田縞の手織りで繊維製品を作る、というアイデアが浮かんだ。

「吉江あおい会」に協力を要請し、同会から約100本のフタバアオイの苗を購入し、パネル下に植えた。まず、1年目は模擬屋根型の架台下に、約10㎡の花壇を設置し、同会メンバーに委託して苗を移植した。パネル下での「フタバアオイ畑」の管理は、吉江あおい会に委託した。ジャパンインペックスは、成長した葉を吉江あおい会から購入し、商品開発に取り組む。具体的には鯖江市繊維協会に依頼して、石田縞の技術を使った繊維製品を開発するという。(日経BP総研クリーンテック研究所


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