認定失効制度、猶予期間は運開期限から「最大3年」

経済産業省は2020年8月31日、有識者会議を開き、固定価格買取制度(FIT)の抜本見直しを含む「エネルギー供給強靱化法」の成立を受け、具体的な制度設計に着手した。会合では、以下3つのテーマを討議した。(1)FIP(フィード・イン・プレミアム)制度の詳細設計とアグリゲーションビジネスのさらなる活性化、(2)電力ネットワークの次世代化、送電線設備の増強・利用ルールの高度化、(3)長期未稼働案件への対応。

 

 長期未稼働案件への対応では、「未稼働案件に対する認定失効制度」「太陽光以外の過去に認定した案件への運転開始期限の設定」「2016年度に認定を受けた太陽光案件への運転期限の設定」について、事務局案が示された。

 

 認定失効制度は、すでに、2020年7月22日の有識者会議で、「2022年4月の改正法施行日までに、開発工事に着手済みであることが公的手続によって確認できた2MW以上の太陽光については、運転開始までの失効リスクを取り除く」との案を示した。これは、すでに大規模案件に関しては、「失効リスク」を危惧する金融機関によりファイナンスに影響が出ている現状に配慮して、先行して経過措置を示したものだ。

 

 8月31日の会合では、この大規模案件への経過措置を例外規定として、認定失効制度の全体像を示した。事務局案では、「運転開始期限を過ぎて1年後の進捗状況で、失効制度の適用を判断する」とし、「系統連系着工申込みを行っていない案件は、運開期限の1年後の時点で認定を失効する」「系統連系着工申込みを行った案件は、運開期限に猶予期間として、運転開始期間に当たる年数を加え、その到来をもって、認定を失効する」とした(図)。

 

図 認定失効制度に関する設計(案)のイメージ(出所:経済産業省)

 

 従って、「運転開始期限3年」を設定されている案件の場合、認定された時点から最大で6年で失効することになる。ただ、事務局案では、「送配電事業者による系統連系工事の事情により遅れが生じた場合には、当該遅れにより失効することがないように配慮する」とし、系統工事による着工遅れを配慮しない運転開始期限の設定に比べ、失効制度では発電事業者に配慮した形になっている。ただ、自然災害などによる遅延には配慮しないとした。

 

 加えて、運転開始期限を設定していない「太陽光の2016年度認定案件(調達価格24円/kWh)」についても、従来の仕組みにそって運転期限を設定するとした。事務局案では、2021年3月までに送配電事業者によって系統連系工事着工申し込みが受領された案件は、従来の調達価格を維持して2022年3月31日を運開期限とし、受領が間に合わなかった案件は、受領時点の2年前の調達価格を適用し、その時点から1年後を運開期限とする、という仕組みになる。

 

 これにより例えば、系統連系工事着工申し込みの受領期限(2021年3月31日)に間に合わず2021年4月1日以降、2021年度内の受領となった案件は、従来の24円/kWhの調達価格が14円/kWhに減額されることになる。

(日経BP総研クリーンテックラボ)

 

 


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