太陽光・入札結果は368MWに急増、落札平均価格が1円低下

一般社団法人・低炭素投資促進機構は2020年11月6日、太陽光発電(250kW以上の高圧・特別高圧連系案件)を対象にした、固定価格買取制度(FIT)による第6回入札(令和2年度上期)の結果を公表した。非公表だった上限価格は、前回の13.00円/kWhから1円下げ、12.00円/kWhだった。

 

 落札されたのは254件で、最低落札価格は10.00円/kWh、最高落札価格は12.00円/kWh、加重平均落札価格は11.48円/kWhだった。最低価格は前回の10.99円/kWhから0.99円、加重平均落札価格は前回の12.57円/kWhから1.09円下がった。

 

 今回の入札での募集容量(入札量)は750MWだったが、札を入れたのは255件の合計出力368.8725MWで、大幅に募集容量を下回った。その結果、落札されたのは、非公開の上限価格(12.00円/kWh)を下回った254件・合計出力368.3735MWとなった。

 

 非公開の上限価格を上回る札を入れたのは、わずか1件だった。この結果を見ると、ほとんどの事業者が上限価格の読みが当たり、かつ多くの事業者が「入札容量は、募集容量750MWを下回る」と見ていたことが推察できる。そのため、あえて競争的な価格を出さず、11円台の札が多くなったようだ。その結果が、加重平均落札価格11.48円に表れている。前回入札からの「1円下げ」は、政策担当者と太陽光発電開発事業者とのあうんの呼吸とも言える。

 

 今回の落札案件である254件・合計出力約368MWは、前回の27件・合計出力約40MWと比べて、10倍近く増えた。前回1件の落札もなかった2MW以上の「特高案件」も9件含まれていることから、大規模案件もわずかながら動きが出てきたといえる。

 

 とはいえ、募集容量の半分程度と、政策的に想定している新規開発容量を大幅に下回っている状況に変わりはない。「上限価格」の下落が価格低下を牽引しており、入札制度が本来持つ、価格競争によるコスト低減効果が表れるほど、新規開発が活発化している状況にはない。

 

 そもそも、今回の入札量が増えたのは、前回の入札では、入札件数の約6割に当たる45件・合計出力約146MWもの案件が、上限価格(13円/kWh)を上回る札を入れ、不落となっていたことも背景にある。加えて、今回の落札案件のなかで、450kW~500kW未満の案件が57件にも達するのは、前回までの入札対象であった「500kW以上」を避けるために500kWをわずかに下回る連系出力で開発を進めてきた案件が、今回の入札対象規模が「250kW以上」に下がったことから、結果的に入札に回ってきたという事情もありそうだ。(日経BP総合研究所 クリーンテックラボ)

 

落札者の決まるイメージ(出所:一般社団法人・低炭素投資促進機構)

 


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