事業用太陽光の買取価格は引き下げへ、入札対象は250kW以上に

 固定価格買取制度(FIT)の調達価格(買取価格)を討議する調達価格等算定委員会(以下、算定委)が2020年1月22日に開催され、事業用太陽光の2020年度分買取価格を算定する際の前提条件などについて、事務局(経済産業省)案が示された。

 

太陽光の買取価格の算定では、システム費用の低下や設備利用率の向上、前提とするIRR(内部収益率)の低下を折り込むことで、継続的に引き下げてきた。2020年度分算定価格を決める上で前提とするシステム費用について、2019年度分の18.2万円/kWから14.2万円/kWに引き下げるとの案が承認された。これは2019年度に設置された案件のうち上位13%を採用した。

 

2019年度分買取価格の算定では、システム費用を2018年度分の22.1万円/kWから18.2万円/kWに3.9万円下げ、設備利用率を同17.1%から17.2%に上げ、IRRの前提を5%から4%に下げることで、2018年度の18円/kWhから14円/kWhに一気に4円引き下げた(図)。

 


図 設置年別のシステム費用平均値(50kW以上、単位は万円/kW)(出所:経済産業省)

 

 2020年度分の前提でも、システム費用を2019年度の18.2万円/kWから14.2万円/kWに4万円下げた。ただ、設備利用率とIRRについては、変更の討議がなかったことから、2019年度の水準を据え置くことになる。このため引き下げ幅は1~2円に小さくなり、12~13円/kWh程度に決まる可能性が高そうだ。

 

1月22日の算定委では、太陽光の入札対象範囲を、2019年度の「500kW以上」から、「250kW以上」に広げる案も承認された。このため、2020年度は50kW以上250kW未満の事業用太陽光を対象に、今回算定した買取価格が適用されることになる。

 

また、2020年度から低圧事業用太陽光(10kW以上50kW未満)には、地域活用要件が適応され、余剰売電に移行しつつ、自立運転機能が必要になる。このため、買取価格の算定条件が異なるため、価格も変わる可能性が高い。自家消費分だけ経済性が高まる一方、自立機能分だけシステム費用が上昇する。

 

算定委では、自家消費分の経済性を想定する際の電気代を18.74円/kWh(直近7年間の産業用電気料金の平均値)、自立機能付きによるシステムコストの増加分を14万1000円程度として、0.3万円/kWを算定条件に加える案を示し、了承された。

 

自家消費分の経済性の算定では、自家消費比率50%と想定することから、この分の経済性向上のインパクトが、システムコスト0.3万円/kW増加による経済性悪化より大きいことが予想され、低圧事業用太陽光の余剰分買取時に適用される価格は、50kW~250kWの事業用太陽光の価格よりも低く設定される可能性が高い。

(日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 


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