ZEBの主役は「新築の事務所」 ZEB実証事業リポート(1)

 環境共創イニシアチブ(SII)は、経済産業省と環境省の連携事業として執行した2019年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業における採択事業の傾向を分析した。その内容をリポートする。

 

 ZEBは4種類ある。創エネルギーを加味した基準1次エネルギー消費量からの削減率が100%以上を「ZEB(ゼブ)」、同75%以上を「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」、同75%未満を「ZEB Ready(ゼブレディ)」と呼ぶ。いずれも創エネルギーを加味しない省エネルギーだけの削減率が50%以上を必須とする。

 

 一方、創エネルギーを加味しない省エネルギーだけの削減率が40%以上(事務所や学校、工場など)、同30%以上(ホテルや病院、百貨店、飲食店、集会所など)を「ZEB Oriented(ゼブオリエンテッド)」と呼ぶ。これは、未評価技術を導入した延べ面積1万m2以上の建築物が対象となる。

 

ZEBの定義。まず建築物の高断熱化や日射遮蔽、設備システムの高効率化などで省エネルギーを図り、次に再生可能エネルギーの導入で創エネルギーを図る。基準1次エネルギー消費量からの削減率が大きい順に、ZEB>Nearly ZEB>ZEB Ready>ZEB Orientedとなる(資料:資源エネルギー庁「平成30年度ZEBロードマップフォローアップ委員会とりまとめ」)

 

 経産省の補助対象は、延べ面積1万m2以上の民間業務用施設(既存建築物は2000m2以上)。環境省の補助対象は、延べ面積1万m2未満の民間業務用施設と地方公共団体の建築物(面積要件なし)。経産省は19年度からZEB Orientedも対象としている。なお地方公共団体の建築物は、延べ面積1万m2以上でもZEB Orientedは対象外となる。

 

 19年度の採択事業54件中、ZEBは6件、Nearly ZEBは16件、ZEB Readyは29件、ZEB Orientedは2件だった。交付申請件数は18年度より減少したが、採択件数は過去最多の54件を記録した。14年度からの累計事業件数は195件となる。

 

2019年度ZEB実証事業で採択された全54件のZEB達成度。図中の「その他」は、パソコンやプリンターといったOA機器などによる「その他1次エネルギー消費量」を示す(資料:環境共創イニシアチブ)

 

ZEB達成度の拡大図。設計1次エネルギー消費削減率(創エネ含まず、その他含まず)は50〜60%の間に多く分布しており、 創エネルギーによる削減率は0〜5%の間に多く分布している(資料:環境共創イニシアチブ)

 

2019年度ZEB実証事業で採択された新築43件、既存建築物11件の設計1次エネルギー消費削減率の分布。図中の「その他」は、パソコンやプリンターといったOA機器などによる「その他1次エネルギー消費量」を示す(資料:環境共創イニシアチブ)

(日経クロステック「省エネNext」公開のウェブ記事から抜粋)

 


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