両面ガラスパネルで乗り切るトラブルシューティング(1)パネル内部に侵入する水分による問題を防止

両面ガラスの太陽光パネルは、今後のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の信頼性の向上を可能にする技術として注目されている。従来の樹脂製バックシートによる封止の課題とされる、長期信頼性が向上する可能性もある。

樹脂製のバックシートは、水分や酸、アルカリなどを浸透させてしまう可能性があることから、太陽光パネルに生じるトラブルの原因の一つと考えられている。一方で、両面ガラスのパネルは、樹脂製のバックシートを表面と同じようにガラスに代え、2枚のガラスで封止する。これによって水分などを通さない密閉構造になり、長期信頼性が向上する。

樹脂製バックシートに起因するトラブルの一つに、「スネイルライン」「スネイルトレイル」と呼ばれる現象がある。太陽電池セル(発電素子)の表面にカタツムリがはったような線状の跡が生じる(図)。


図 マイクロクラックがある場所に、水分が浸透して生じる「スネイルライン」(左)(出所:トリナ・ソーラー・ジャパン)

中国にあるトリナ・ソーラーの研究所による分析では、スネイルラインが生じた周囲では、銀の成分が多く見つかる傾向がある。セルの製造工程における、プラズマCVDと呼ばれる化学気相成長プロセスが影響している可能性も検討したが、無関係なことがわかった。 分析の結果、パネル内部に侵入した水分が銀の酸化を促進し、酸化銀が関与する化学反応によってスネイルラインが発生していることがわかってきた。

スネイルラインの発生によって、発電量が低下するかどうかが最大の問題となる。トリナ・ソーラーの分析によると、スネイルラインの発生後、すぐに発電量が大幅に減少することはない。ただし、発電量が完全に落ちないとは言い切れない。さまざまな耐久試験による数値を見ると、発電量の低減を示す結果は得られていない。その為に両面ガラス構造にすることで長期の信頼性がさらに向上すると考えられている。

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