全160棟でBELS5つ星の建て売り住宅地
- 17/08/25
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不動産会社のリストグループ(横浜市)は2017年5月23日、「リストガーデン nococo-town(ノココタウン)」の事業内容を発表した。横浜市戸塚区の敷地面積2万7427.82m2に、160棟の建て売り住宅を建設する。販売開始は2017年6月上旬、販売価格は3000万円台の予定。
160棟の全てで、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS(ベルス)」の5つ星の評価を取得する予定。購入者を対象に、BELS5つ星専用の40年返済型の住宅ローンを城南信用金庫が用意した。
リストガーデンnococo-townは、JR戸塚駅からバスで約18分の位置にある。敷地は元自動車工場だった。nococo-townという名称は、「農(のう)」「所縁(ここ)」「エコ」を組み合わせた造語(資料:リスト)
nococo-townの完成後のイメージ。2019年に全160棟の引き渡しが完了する予定(資料:リスト)
宅地造成が完了した住宅建設予定地(写真:介川亜紀)
各住宅は2階建てで、延べ面積79.32~98.56m2、敷地面積87.16~125.67m2。完成済みで、BELS5つ星をすでに取得した1号棟は、外皮平均熱貫流率UA値=0.59W/m2K、設計一次エネルギー消費量は443MJ/m2・年で、基準一次エネルギー消費量からの削減率は31%となる。全160棟で同等の性能を確保する。省エネルギー基準地域区分は6地域だ。
同社の標準仕様と比べ、外壁と2階天井部分の断熱材、玄関ドア、サッシに断熱性能の高い製品を採用した。同社の標準仕様で同規模の住宅の場合は、UA値=0.77 W/m2K、設計一次エネルギー消費量は594MJ/ m2・年(削減率10.82%)となる。
「全棟で2.4kWhの太陽光発電システムを標準装備としているものの、あえてネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を目指さず、普及しやすい仕様で省エネ化を図った。事業の海外展開も視野に入れている」とリストデベロップメント事業企画部の相澤毅次長は話す。
2017年5月時点で8棟が完成済み(写真:介川亜紀)
リストの標準仕様とnococo-townの仕様の比較。外壁と2階天井、開口部の断熱性能を高めた(資料:リスト)
暮らしの安全・安心を確保するため、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」も全棟に導入する。各住宅にはセンサーやIPカメラ、家電コントローラーなどのIoT機器を設置し、スマートフォンやタブレットを通じて、防犯や家族の見守り、冷暖房や照明といった家電の調整などを行える。
玄関に設置したIPカメラから、タブレットに映像が送られる(写真:介川亜紀)
街並みを維持するため、「まちなみデザインガイドライン」を策定した。敷地の形状を変更しないこと、住宅は2階建ておよび片流れ屋根とすることを推奨している。外観は「土」に由来する温かみのある色調を例示した。道沿いの植栽のシンボルツリーには、四季の変化が楽しめることから落葉樹の樹種を推奨している。
「まちなみデザインガイドライン」で推奨している外観の色調の例(資料:リスト)
nococo-townのコンセプトである「地の縁、人の縁、所縁が生まれる街」を目指し、生活を豊かにし、住民同士のつながりを生むための取り組みも予定している。子育て支援活動もそのひとつだ。地域の子育て支援団体「子育てネットワークゆめ」や戸塚区保育協力者グループ「きらきらの会」などと連携し、無料の子育てサポートを行う。
ほかに、横浜薬科大学(横浜市)の監修による「ハーブシェア」提案や、住民専用の農園「nococoファーム」、防災拠点を兼ねた多目的施設「nococoハウス」の整備を予定している。ハーブシェアは、各住戸に設けた小さな菜園でハーブを育て、余剰分をシェアする活動だ。そうしたおすそ分けを通して住民同士の付き合いを深めることを狙う。同大学はnococo₋townで無料講座を開催し、各ハーブに関する知識や使い方などを伝える。
相澤次長は、「160世帯が集住することで、住民同士の新たなコミュニティーが生まれて地域が活性化し、地域の価値向上につながる。『向こう三軒両隣』といった日本的な近所づきあいのある街を目指す」と話す。(日経ホームビルダーのウェブ記事を転載)
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