経産省が太陽光架台に標準設計例を提示、2019年度に技術基準改正へ

経済産業省は太陽光発電設備の自然災害に対する安全性を確保するため、架台に関する「標準設計例」を提示し、2019年度中に電気設備の技術基準の「解釈」と「解説」の改正に向け、検討する。

台風による太陽光パネルの飛散や架台倒壊など発電所構外に影響を与える損壊被害が発生したことを受け、産業構造審議会・保安分科会・電力安全小委員会で安全確保の対策を検討してきた(図)。


図 太陽光発電設備の保安規制の現状(出所:経済産業省)

すでに2016年4月に、太陽光パネルなどが発電所構外に飛散した場合を事故報告対象に追加し、同年9月には太陽光発電所で発生した電気工作物の破損に関する事故報告の対象範囲を、従来の500kW以上から50kW以上に拡大した。こうした事後的な規制によって、安全性の検証に不可欠な被害情報の収集を強化した。

さらに同年11月には、従来2MW以上だった「使用前自己確認」の届け出対象を、500kW以上の設備にまで拡大した。建設前の規制を強化することによって、不適切な設計・施工の抑止を狙った。

事前規制の強化の一環としてまず、地上に設置する架台の設計例を「標準仕様」として技術基準に例示する。太陽光発電の架台に関しては、技術基準で日本工業規格(JIS C8955)に規定される強度を確保することを求めている。だが、「設計基準の耐風性を満たさないなど、技術基準を十分に理解していないケースが存在する」(経産省)という。そこで、技術基準に基づいた強度計算を実施しない場合、例示した「標準仕様」に準拠することを求める。

「標準仕様」の考え方として以下の5項目を挙げた。(1)「一般仕様」「強風仕様」「多雪仕様」の3つの形式を定める。(2)設計荷重は、JIS C8955の中でも、より安全裕度の高い方法で計算する。(3)比較的、悪い地盤を想定する(粘性土でN値3、長期許容支持力20kN/m2、地盤との摩擦係数0.3)。(4)基礎は鉄筋コンクリートに限定し、使用する部材の材質も限定する。鋼材、ボルト、ナットなどは市販品を想定し、接合方法はボルト接合に限定する。(5)太陽光パネルは、風・雪荷重で不利となる大型タイプ(2m×1m)を想定する。

加えて、JIS C8955の内容自体も、安全裕度の高める方向で改正を検討する。2017~18年度にかけて、耐風圧試験による構造安全や水没実験による感電リスクを評価し、その結果を踏まえて、2019年度中に飛散や水没に対する簡易な安全対策に加え、技術基準の解釈と解説の改正を検討するとしている。(日経BP総研 クリーンテック研究所)


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