環境省が「再エネ促進区域」制度、許認可などワンストップに

環境省は9月7日、有識者会議を開催し、改正地球温暖化対策推進法を踏まえた対応に関して事務局(環境省)のイメージを公表し、討議を行った。そのなかで、「ポジティブゾーニング」による再生可能エネルギーの推進策について、概要が示された。

 

 市町村は、改正温対法により温暖化対策実行計画の策定が義務付けられ、その中で「再エネ導入量の目標」と「再エネ促進区域」を設定する。民間事業者は再エネ事業計画を市町村に申請し、その計画が市町村から認定された場合、許認可手続きなどに関し、市町村を窓口にワンストップで進められるなどの特例措置が受けられる。

 

 市町村による再エネ事業計画の「認定」基準は、温暖化対策実行計画に沿っていることに加え、「地域の環境保全」「経済・社会の持続的な発展」への貢献が要件となる。

 

 「再エネ促進区域」の設定は、「ポジティブゾーニング」と呼ばれ、ここ数年、市町村が条例で再エネ抑制区域を設定するケースが増えている中、逆に「再エネを推進する区域」を設定して、積極的に再エネの新規開発を促す狙いがある(図)。

 

 

図 「ポジティブゾーニング」のイメージ(出所:環境省)

 

 今回の有識者会議で、環境省は、再エネ事業が認定される例として「地域課題解決」「地域経済」「防災」への貢献などを示し、類型化していく方向性を示した。

 

 改正温対法のポジティブゾーニングによる再エネ促進の仕組みは、農林水産省が主管する農山漁村再エネ法に近い仕組みになる。農山漁村再エネ法による再エネ事業の「認定」では、「農林漁業の健全な発展への貢献」が要件となるが、改正温対法では、「経済・社会の持続的な発展」が想定され、より幅広い貢献策がイメージされている。

 

 環境省は、今後年内に4回程度、有識者会議を開催して、これらの施策を運用するための「マニュアル」を作成し、来年4月の改正温対法施行に間に合わせる方針だ。メガソーラー(大規模太陽光発電所)開発に伴い、地域住民からの反発が起きやすくなっている中、改正温対法のポジティブゾーニングを利用したスキームで、市町村から「お墨付き」を得ることは、大きな利点となる。「認定」に求められる「経済・社会の持続的な発展」がどのような形になるのかなど、今後、策定されるマニュアルの内容が注目される。(日経BP総研 クリーンテックラボ)


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